2011年2月に読んだ本

今月は、前半はサクサク本を読んでいた気がするけど、後半に入ってペースが落ちた。何冊かの本を同時に読んでみたり、手をつけた本を結局読み終えなかったり、読書生活も自身の生活と同様、フラフラしたものだ。


ということで、今月読んだ本。


ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

先月の「街場のアメリカ論」から、アメリカについて書かれている本を読みたくなって。前にこの本を薦める書評を読んだことがあった気がして、図書館で借りた。マイケルムーアの映画もそうなんだけど、ルポを読むと、その「ど真ん中」な感じが途中でお腹いっぱいになってしまって、読み終えたときには食べすぎでちょっと気持ち悪い、くらいになる。でも、ルポってきっとそういうもの。

アメリカ陸軍に関して取材したことが結構書かれていたが、実際にアーミーで働いていて、自身もイラクに行ったことがある友人を持つ身としては、少し嫌悪感を覚えるような内容もあり。でも、やっぱりルポってそういうものだから。


アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

ルポは食べすぎなら止せばいい、と思うけど、上の本と2冊一緒に借りちゃったんだからしょうがない。ただ、こっちは笑える軽さがある。そうそう、そういう所あるよね、ってニヤニヤしながら読めるから楽でいい。


なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?

なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?

何でこの本借りたのか、覚えてない。楽してお金持ちになりたいって考えてたんだろうと思う。お金に関しては、村上龍が言ってたらしい、

お金で幸福を買うことはできないが、不幸を避けることはできる。


と言うのが、今のぼくの考えに近い。だから幸せを維持できるくらいのお金があれば良いのだけれど、やっぱり出来るだけ短い時間で効率的に稼げれば、なんて思うことはしょっちゅうある。でも、この本を読んで何を学んだかちっとも覚えていない。


やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

ぼくは村上春樹と司馬遼太郎のエッセーが好きだ。自分が知らない世界を、自分が持ち得ないレンズを通して見ているような、そんな感覚は愉しい。ぼくはノートルダム大学の試合を見に行ったときには「ルディ」を思って気持ちが高ぶったけれど、村上春樹がフィッツジェラルドの足跡をたどっているときに比べると、どうだろう。言葉が豊か、文体を持っている、と言うのは、すなわち考えが豊か、自分なりの軸がある、と言うことなのかもしれない、と思う。


ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック (村上春樹翻訳ライブラリー)

ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック (村上春樹翻訳ライブラリー)

分かりやすすぎるが、村上春樹のプリンストン大学(フィッツジェラルドの母校)出の生活のエッセーを読んで、スコットフィッツジェラルドを読む。とは言っても、この本はスコットフィッツジェラルドの短編は2つ収録されているだけ、後は村上春樹のフィッツジェラルドに関するエッセーと、彼の編集者が彼とヘミングウェイの思い出を書いた文章。

フィッツジェラルドの物語はお洒落で説教っぽくなくて爽快。ハッピーエンドじゃなくても、心に重く残る、と言う感じは無いかな。たとえば「人間失格」なんて、しばらく落ち込んじゃうくらい残るけど、そういうことは無い。