エンプティネスと仕事のやり方
私は、この考え方は、ビジネスパーソンにも置き換えられるのではないかと、読み終わってから考えました。
職場において、自分が知っている知識を小出しにしたり、それを 「経験」 と言って見たりすることに違和感を感じていました。例えば、「あの人がいないと、この分野のことは分からないから。」 とか、「××に関することは、あの人の経験で決めるんだ。」 とか言った会話には、首を傾げてしまいます。
逆説的だとも思いますが、自分の存在価値を限りなくゼロに近づけること、が仕事における自分の存在価値だと思っているし、強みだとも思っています。つまり、「スペシャリストが必要な状態」 を 「誰がいてもいい」 に変えることが自分の得意分野だと思っているし、それを意識して仕事をしています。
ただ、そこに葛藤がありました。自分の存在価値を無くすことが強みだったなら、10年20年のキャリアを経た自分には何が残るのだろうか、と言う葛藤です。つまり、自分の中に何が残るのだろうか、自分をどう売り込めばいいのだろうか、と考えていました。
そんなことをずっと何となく考えていたのと、この無印良品の話がつながった気がしました。
つまり、エンプティネスで良いんだな、と思えたんです。むしろ、それが私のキャリアを形成する上での目指すことだと思えました。
私が違和感を受けるような仕事のやり方、それはつまり 「サムシング」になろうとしている仕事のやり方だと思います。そうすると、人から見ると「その道のスペシャリスト」 と言う風になります。
一方で、私の良いと思う考えはエンプティであることです。スペシャリストでもないし、定義できないところを目指す。ただ、その結果としてそれぞれの人から見た 「何か」 になると言うことになります。
つまり、Emptyness = Nothing ではなくて、Emptyness = Infinity なんだということか。やっぱり、エンプティネスを目指して良いんだ。そんな風に思えたんです。
エンプティネスが生み出す、誰しもに付加価値を与える仕事、それが長い目で見た目標の一つです。