目標の意味

新卒で入った会社は自動車部品のサプライヤーでした。オーナー企業で社長夫妻がバリバリ指揮を執っている会社でした。今になって、いろんなことを勉強させてもらったことに気づくのですが、これも最近の「気づき」の話です。


その会社の目標は「世界の自動車シェアと会社の売り上げ比率を合わせること」でした。だから、現状の売り上げの比率で足りないところに力を注ぐんだ、と言われたのを覚えています。初めて聞いた時には、確かに理にかなっているな、くらいにしか考えていませんでした。というか、最近までそういう風に考えていました。


WORLD MOTOR VEHICLE PRODUCTION, RANKING OF MANUFACTURERS


別の会社で働いている今、会社の将来とか目標について考えることがよくあります。自分が関わる仕事の生み出す価値、とか、事業が成長していくための戦略、とか、別に戦略を策定する立場にいるわけではないけれど、会社の一員としてどうやって貢献できるのか、と言うことを分かるために考えています。


私なりに考えて出した答えは、シンプルな目標があることは意味がある、と言うことです。何で会社のビジョンだとか経営方針と言ったものを考える必要があるのか、それは幹になるものだからだと言うことが、考えて分かりました。分かったと言うか、改めて理解した、という方が近いです。ただ、それに加えてもう一つ分かったことは、目標を立てる時には自分たちのことをよく知っている必要がある、ということです。これは、すごく重要だと思います。


私は、上に立つ人が、事業のことを良く考えて、その人なりに理解して、そのうえでの目標を立ててくれたら、もうそれだけで大部分の仕事は終わっているのではないか、とさえ今は考えています。


そこで、前の会社の目標です。世界の自動車シェアと会社の売り上げ比率を合わせること、これでやるべきことは分かります。身の丈に合わない目標でもなければ、成長を妨げるような目標でもない、私にはこの目標は社長がきちんと考えたうえで導いたものだと思えるし、実際に素晴らしいと思います。


何をするべきか知っている、というだけで良いんだと思うし、逆にそこをないがしろにしてしまうと色んなことが見えなくなる、というのが考えて分かったことです。