街場のアメリカ論

“Remember the Titans”と言う映画が好きです。とても好きで、これまで20回は観たんじゃないかな。

タイタンズを忘れない 特別版 [DVD]

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1971年のバージニア州アレキサンドリアの保守的な田舎町で、白人の高校と黒人の高校が統合され、アメフト・チームのタイタンズも黒人コーチのブーンが担当することになったことから、チーム内も町も大騒ぎとなってしまう。そんな折り、転校生ロニーがチームに加入したことで、やがてチーム全員がひとつになり、連戦連勝を重ねていく…。実話をもとにした友情と青春のスポーツ感動作品。(amazonの説明)


この映画、何度見ても泣けるし、泣けるポイントが多くて、毎回違うところでやられてしまいます。


ただ、毎回やられてしまうシーンが一つあります。それはチームキャプテンの白人の子が怪我を負ってしまったところに、黒人のリーダー格の子が病院を訪ねるシーン。

黒人の子は、怪我をした白人の子に語りかけます。

I'll tell you what, though. Um, when all this is over... me and you are gonna move out to the same neighborhood together. OK? And, um... and we'll get old, and we'll get fat. And there ain't gonna be all this black-white between us.

このシーンにいつもやられます。せりふも、もう覚えてしまっているくらいだけどやっぱり駄目です。


で、先日「街場のアメリカ論」を読みました。その大胆な仮定に最初は身構えながらも、読み進めるうちに納得するような、いつもの読書とは少し違う感覚でした。読み進める過程で、今まで見てきたアメリカをもう一度、見方を変えて考え直しながら読んでいました。いろいろ考えているときに、“Remember the Titans”の上記のシーンが頭に浮かんできました。


黒人の子は「年をとって太る」と言った。そこに何の疑問も持っていなかったけれども、それはアメリカ人の無意識の各社社会への抵抗が、言葉になって表れているシーンではないか。そして、そこには白人と黒人と言う分け方ではない、格差の中での立ち位置が重なる二人だから、通じ合えるのかもしれない。

もっと深読みすると、「年をとって太る」と言う白人のある階級の人のステレオタイプな姿を、黒人の友人が受け入れることを表明した、そのとても根本のところで歩み寄った姿が本当のあのせりふの意味だったのかもしれない。


と、そんな風に考えました。この考えが正しいか正しくないかは分かりません。ただ、歴史を知り(つまり自分の中の判断材料を増やして)、そのつながりを考えながら思考することを日頃から行っていると、触れる情報に対して考えることの量と質につながるんだと実感したことを、そのことを記録としてここに残しておきます。


これは、先日書いたことと同じかと思います。そう考えると、自己を研鑽することの意味を考えることが最近多いようです。


じゃあ、実際に何をやっているんだ?ってところが本当は重要なんですが。。。