技術と経験の違い

(会社の週報で書いていることを、一部こちらにも残しておこうと思う。少し内容を変えて。)

私は全くもってジャズファンではないが、「A列車で行こう」とか「サッチモ」とか「スウィング」とかが何を指すかくらいは分かる。ビルエヴァンスとか、ライオネルハンプトンとか、まれに聞いたりもする。

ジャズピアニストの山下洋輔氏が、
「ピアノを弾けない人に、自由に弾いてください、と言っても出来ない」
と言うような内容を語った記事を読んだことがある。ここで言う「自由に」とは、人に聴かせる演奏として、である。確かにそうだろう。私ならピアノの前で途方にくれてしまう。技術があってこそ、「自由」な表現が出来るのだ。ピカソは絵がうまいとか、岡本太郎は芸術を見る厳しい目を持っているとか、同じ類のことだ。

ビジネスの世界においても例に漏れず、イマジネーションとは技術があってこそ働くものであると思う。そして技術とは「経験」や「知識」と言った言葉では置き換えられない。ジャズにどれだけ詳しくてもピアノを自由には弾けないし、20年ピアノで遊んでたら、自由にピアノを弾けるというものでもない。ぼくは今、「経験」や「知識」では無く「技術」を伸ばす為に日本に研修に来ている。それがアメリカに戻ってからのイノベーティブなビジネスにつながるのだと思う。