How Women Rise

所属する会社は、女性のキャリアアップに力を入れている。その一環で所属するメンバーがコーチングプログラムを受講することになり、マネージャーとしての関わり方についてセミナーを受講した。そのセミナーで配られたのがこの本。

How Women Rise: Break the 12 Habits Holding You Back from Your Next Raise, Promotion, or Job

How Women Rise: Break the 12 Habits Holding You Back from Your Next Raise, Promotion, or Job

 

 日本語訳があることが分かったけど、タイトルが内容を反映しておらず残念。「できる女」ということではなく、キャリア成長に影響しかねない考え方の癖を明らかにし、それらをいかにUnlearnしていくか、ということが書かれている本。

コーチングの神様が教える「できる女」の法則

コーチングの神様が教える「できる女」の法則

 

印をつけたところをランダムに書き写しておく。

  • The same behaviours that help people achieve high positions often undermine them as they seek to move further up
  • After all, you get to define what success means to you
  • Behavioral change is a time-consuming exercise that can be paralyzing and often requires professional guidance.
  • Habits are you on autopilot
  • In Stage One, a woman will react to the suggestion that she needs to change by feeling discouraged and undervalued
  • Our goal is to teach you about the "must-stop" habits that in our experience are most likely to get in your way as a woman
  • You can't listen if you're preparing to speak. There's the part where you listen to what the other person has to say and then there's the part you respond. They do not overlap.

そのほかのメモ。

  • Frances Hesselbein の名前は Range でも言及されていた。
  • 女性は contribution, 男性は potential で評価される傾向あり
  • Being a good person doesn't mean not disappointing others
  • 完璧主義者にならないために、"Oh well" と言える癖を
Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World (English Edition)

Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World (English Edition)

  • 作者:David J. Epstein
  • 出版社/メーカー: Riverhead Books
  • 発売日: 2019/05/28
  • メディア: Kindle版
 

 

 

最近数年を振り返る

New Year Resolution を考える時期になると、毎年のように「来年はきちんと活動のログを残していきたいな」と振り返っていて、過去のブログや Twitter を見ても、だいたい1月には熱心に更新していることが分かる。ということで、今年も例にもれず、しばらくぶりにブログを書くことにする。最後の更新が2015年の1月のなのでほぼ5年ぶりの更新。これまでの5年間を仕事関連で振り返ると、以下の感じ。

  • 2015: 12月にクウェートから帰任。
  • 2016: 1月末で東芝を退職し、再生エネルギー事業会社に転職。その後、11月に Amazon Japan に転職。
  • 2017/2018: Amazon Japan 勤続。部内での異動はあったけれど、基本的には FC 設計に関連する仕事に従事。
  • 2019: 8月に Amazon Robotics に移籍してボストンに引っ越し。

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ボストンに移ってきてから、アメリカに来たからには英語の本を読むしかないだろ、と Harvard Book Store で本を探してみたり、Bill Gates のおすすめの本を買ってみたり、と月に1冊くらいのペースで読書を進めている。一方で子供が通うボストン日本語学校に併設されている日本語図書館が素晴らしくて、ここで本をいろいろ借りて読んでいる。アメリカに来てから読んだ本で面白かったものをランダムに挙げてみる。 

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

  • 作者:遠藤 周作
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/10/19
  • メディア: 文庫
 

沈黙は窪塚洋介がキチジロー役を演じた時を改装するインタビューを読んで興味を持っていたのだけれど、図書館で偶然見つけたので少し立ち読みしてみたら、止まらなくなって借りてきてその日のうちに読み終わってしまった。内容はとてもとても心に重いものなので、一章読んでは少し休憩して、を繰り返しながら読んだ。 

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

  • 作者:村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/12/04
  • メディア: ペーパーバック
 

村上春樹は小説よりもエッセイや紀行文の方が楽しい、と思っていたけれどこの話はぐいぐいと引き込まれながら読んだ。こちらに来てから騎士団長殺しも読んだのだけれども、多崎つくるの方が面白かった。

そういえば、こちらに来てから、とある若手と話をしているときに

「社会人生活に影響を与えた本を挙げるとしたら何か?」

と質問されて、英語で出版されているものの中から考えて、アランの「幸福論」と「星の王子様」、それから村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」を挙げた。

Mind and Matter: A Life in Math and Football

Mind and Matter: A Life in Math and Football

  • 作者:John Urschel,Louisa Thomas
  • 出版社/メーカー: Penguin Books
  • 発売日: 2020/05/12
  • メディア: ペーパーバック
 

数学とアメフトを愛する青年の自伝。アメフトでは NFL でプレーするまでに登りつめたが、結局アメフトを引退して数学者としての道を歩むことを選ぶまでの軌跡について書かれている。こちらに来てから最初に手に取った洋書だったけれど、どんどん読んでしまった。アメフトに関連する話だから、ということももちろんあるし、天才から見る世界を垣間見るのも面白かったし、彼の持つ集中力の高さへの驚きもあったし、いろんな面からグイグイと読んだ。

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今はファインマンのエッセイを読んでるけれど、これもなかなかに面白い。引き続き、英語と日本語の両方で自分のペースで読書を続けていきたい。

 

 

 

ビジネス本を読むということ

クレジットカードを発行してもらう必要があって、銀行に出向いたのだけれども、その待ち時間に、ダラダラとスマホをいじっていて、以下のブログの記事に行き着いた。(クウェートって公共サービスは非効率的でストレスフルだったりするけれど、銀行のサービスは日本なんかよりずっと簡単でIT化も進んでいて、悪くないですよ)

眉間にしわを寄せるような大人に負けるな!(慶応SFC訪問記) - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

僕は以下の一文を読んで、考え込んでしまった。

やりたいことからやるべき。人生は短く、やりたいことは多い。10やりたいことがあったとしてもどうせ出来ることは一つか二つしかない。本当にやりたいことを見失わずに、やりたいことからやっていても、あっという間にある程度の歳になってしまう。夢は逃げない。逃げるのはいつも自分。だから、そこから掴め。


僕のやりたいことってなんだろうか。大学院を出てアメリカに行ったときには、「海外で暮らす」「英語を駆使して世界を相手に仕事をする」みたいな事が、なんとなくの目標としてあったのだけれど、「海外」とか「世界」とか、人括りで考えていたものについて、実感的な理解が深まるにつれて、それはぐっと身近になった。身近になったというのは、はすに構えて言うならば、つまりexcitingではなくなった、と言うことだ。

「海外でバリバリ」に対して、あのころのような憧れは無い。今も「ある特定の場所」に対する憧れはあるけれど、それは「海外」とひと括りにできるものではない。

で、じゃあ、やりたいことは?今現在、自分の時間の中で最も多くの割合を費やしているのは仕事だから、やっぱりやりたいことについて考えるときには、仕事のことが最初に頭に浮かぶ。「理想の仕事」って考えたときに、僕がいつも夢想する場面がある。

僕はあるチームに所属している。チームのメンバーは皆、僕よりもずっと優秀な人たちで、僕はいつも何とか追いつくために必死になっている。毎日、精一杯考えて、取りいれてアウトプットを何とか出して。やがて、自分が彼らに近づいていることが少しだけ実感できるようになる。そんな仕事に対して、僕はぼんやりとした憧れを持っている。だから、いわゆる「プロフェッショナル」たちの言葉を聞いたり読んだりすることが好きだ。こういう類の本を読むと、すごく勉強になった気がする。一方で、自分と(例えばそれが本であれば)著者との間にある圧倒的な差を思って、少しがっかりしたりもする。

でも、今日ボーっとそんなことを考えながらふと思った。そうか、ビジネス書を読むのは、つまりゴルフが好きな人がゴルフ雑誌を読むようなもので、ゴルフが趣味の人がプロゴルファーを目指そうなんて思っていないし、ただ自分が上手になることに喜びを感じているように、自分が成長していることを楽しめればいいじゃないか、と。そう考えると、日本人がビジネス書が好きなのも分かる。「そんな知識身につけたって、あなたがそれを使う機会なんてないのよ。だってあなたはそのレベルにいないから」みたいな、冷静で多分正しい意見を目にして、ちょっとゲンナリしたりするけれど、でもそうじゃないんだよね。ドライバーがまっすぐ飛ぶようになったら嬉しいように、何かができるようになる、自分が少し変わることが楽しく思えたら、それでいいんだな、と。

なんだか、この気づきはすごく嬉しくて、知らずに抱えてたプレッシャーみたいなものがすっと抜けていった感覚だ。自分の成長を楽しめる、そんな自分を忘れないでいたいと思う。

アメリカの電力業界のトレンドや懸案を業界紙に見る

Power Engineeringと言う無料の業界紙を購読している。アメリカ国内の電力事業者向け、と言った内容であり、また、Conventionalなポートフォリオを指示する内容で、多分に右寄りな情報誌だ。エネルギー業界とは右寄りなもの、と言うのはお決まりだけれど。

最近の記事で、How U.S. Power Generators Are Preparing for 2015というものがある。これは、メジャーな電力会社のマネジメントに、現在のトレンドや課題について尋ねたものだ。
How U.S. Power Generators Are Preparing for 2015
質問の回答はそれぞれだけれども、この質問を並べてみれば、まさに現在のトレンドや課題として理解されていることがが見えてくる。ということで、以下に質問を列挙してみる。

  • What changes in your fleet’s operations do you foresee in the next year or so that may not have been anticipated even five years ago?
  • How much is renewable generation at the building and community level affecting your company’s demand trends?
  • Your companies all own at least some nuclear capacity. Recently, five U.S. units have been slated for retirement or shut down, mostly for unexpected reasons. How important will nuclear be to your company’s portfolio in the next 5, 10, 20 years?
  • What recent or anticipated federal regulations do you expect will have the greatest effect on the fleet you’re responsible for in the coming year?
  • If the Clean Power Plan is finalized in 2015 and contains most of the same details as the proposed plan, how do you anticipate it will affect your assets?
  • The global power industry is becoming more concerned about water availability and quality. Is your company addressing water constraints now or preparing for any in the future?
  • In a word—followed by a one-sentence explanation—how do you feel about your utility’s portfolio as you anticipate its operation in 2015?
  • Let’s shift to the people who produce the power. As more of the Baby Boom generation transitions to retirement and you add younger employees, do you find they are less interested in thermal plants than renewable generation? If so, what strategies have been effective in recruiting younger workers to your traditional generation facilities?
  • How would you describe the level of awareness, training, and response of your plant staffs to both cyber and physical security threats?
  • Aside from technical knowledge, what one attribute or character trait is most important for today’s power plant workers?
  • What keeps you excited about the power generation industry?


ということで、再生エネルギー、原子力、環境規制、水、人材確保、あたりがキーワードとして見えてくる。なんとなく言われてはいたけれど、トピックに挙がっていてちょっと意外だったのは「水」だ。クウェートでは、当然ながら水の確保は深刻な問題で、電力よりも水の方が供給が逼迫している現状がある。ただ、これは地理的に特殊な条件にあることが理由であって、これが世界規模でも問題になっているとは言っても、アメリカの電力会社が気にしているトピックの一つにあがってくるほどとは思わなかった。

What is your religion?

クウェートに来てから、「あなたの宗教は?」と聞かれたことが何回かある。そのたびに少し答えに窮するけれど、「Mixture of Shinto and Buddism」と答えるか、そういう答えがまずそうなときには、「Buddism」と答えるようにしている。

自分の宗教観を、簡単に説明することは出来ないだろうか?

僕には明らかに神道を信じる一面がある。子供のころに、父に「お風呂には水の神様がいる」と諭されたことを覚えている。数年前に「トイレの神様」と言う歌が流行ったけれども、その歌詞に何の疑問も無い。明治神宮が好きで、何かとあそこに行くけれど、あれは明治天皇が奉られている場所だ。特に深く考えず、「二拝二拍手一拝」を自然にする。じゃあ、明治天皇のことを考えているのか、と言うと、そうではない。ただ、「神様」を拝んでいる、ということだけだ。

一方で僕は仏教徒である。祖父、祖母は蓮花寺のお墓に眠っているけれども、その時には彼らを思い出すし、自然と手を合わせる。

日々の生活においては神道であるけれども、人の死に関する考えは仏教、と言う言い方になるのかもしれない。

じゃあ、神を信じるか、と言われれば、信じると答える。

今、「コーラン」の日本語訳を読んでいるけれど、すんなり入ってくる面もある。「科学的根拠に反する」なんてことを言わずに、「神が世界の上にいる」ということは、問題なく受け入れられる。僕の中では「神」とは人格ではなくて、「存在」なのだと思う。だから、「一神教」と「多神教」の違いが、あまり実感としてない。「全てのものには神が宿っている」と言うのと、「神は全て見ている」と言うのは、僕の中では同義だ。

ジャックアタリは、レゴ宗教と呼んでいるけれども、好きなものを集めて作っている、と言う感覚は少し違う気がする。

私たちは、個人が好きなものをますます自由に選ぶ世界に向かいつつある。それは宗教にも当てはまる。現存する宗教を選んでもよいし、カトリックやプロテスタントやイスラム教、仏教の小さな断片を集めて個人的な宗教を作ってもよい。それを私は「レゴ宗教」と呼ぶが、二つ意味がある。一つは小さな断片で組み立てる、おもちゃのレゴブロックで、自家製の宗教だ。もう一つは、L’ego(自我)宗教という意味だ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130303ddm002070087000c.html


というよりも、全て同じではないか、と思う。なぜなら、全ての宗教は「よりよく生きる」と言うのが根本にあると思うから。基本的なこと、例えば人に優しくとか、正直にとか、については、どの宗教も僕が知る限りは否定していない。だから、それでいいのだ、と思う。

でも、これでは何も説明できていない。
 "I believe in God"
とでも言えばよいのだろうか。それじゃ、逆撫でするかもしれない。でも、それ以上に言いようが無いかな。深く説明するとなったら、ここに書いたようなことをツラツラと説明するのだろうと思う。

エリトリア独立記念日に際して思う


エリトリア独立記念パーティーにて

エリトリアという国の存在を知ったのは、クウェートに来てからのことだ。エリトリア人の同僚がいたからで、最初はエリトリア、という国名が頭にないから、何度言われてもピンと来なかった。エリトリアは1991年にエチオピアから独立しているが、その独立記念日の前夜祭がクウェートで開かれる、ということで招待してもらったので、せっかくなので、お邪魔させてもらった。始まりが遅かったし、子供もいるから、盛り上がる前に帰らせてもらったので、話に聞いていた踊って盛り上がる様子は見れずじまいだった。でもまあ、貴重な体験をさせてもらった。何が印象的かって、何よりまずは「独立記念日」を祝う、というそのことがなんだか新鮮だった。

思えばアメリカだって7/4は盛大に祝うけれども、エリトリアの独立記念日の印象は、アメリカのそれとは少し違った。なんというか、「本当にうれしい」という実感がこもっていた。1991年に独立したばかりだから、それもそうなのかな。それに、祖国を離れている、という事実が、一層気持ちを盛り上げるのかもしれない。国を愛する、自分のルーツを大切にする、そんなありふれたような事だけれども、生々しくて印象的だった。

オスマン、独立記念日おめでとう。

ブログを再開

クウェートに駐在になってから、日々の生活の記録を何らかの形で残したいとは思っていたけれど、なんだかダラダラとしてしまって、はや3か月経ってしまった。

これから、少しずつでも考えたことを残していけたらいいかなと思っている。